詩歌写真鏡 融大臣

作品解説

長大判錦絵 天保初年(1833-35)頃
源融は、嵯峨(さが)天皇の第十二皇子で、源の姓を賜って臣籍(しんせき)に下りました。『源氏物語』の主人公、光源氏のモデルが融であるとの説もあります。融は京都の鴨川べりに大邸宅・河原院(かわらのいん)を建て、奥州塩竈(しおがま)(宮城県塩竈市)の景観に似た庭を造らせたことで知られ、河原左大臣(かわらのさだいじん)とも呼ばれました。本図は河原院を主題とした謡曲「融」に取材したもので、三日月の夜に融が家臣とともに広大な庭を散策する様子が描かれています。

錦絵