次回開催の企画展

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あ!っと北斎~みて、みつけて、みえてくる浮世絵~

2025年6月24日(火) 〜 2025年8月31日(日)
日本を代表する画家の一人として知られる葛飾北斎の作品の中には、「あ!」っとおどろく多くのしかけがみられます。それに気づくと、他の作品にはどのようなしかけがあるのか、わくわくしながら次の作品をみてみたくなり、北斎や浮世絵について、さらに知りたくなることと思います。
本展では、「at Hokusai」=北斎の作品から得られる発見を通して、作品の魅力を感じていただきます。北斎の作品をみて、北斎の作品でみつけて、北斎の作品からみえてくる体験をお楽しみいただき、北斎や浮世絵に興味を持つ入口となるよう、やさしい解説で北斎や門人の作品をご紹介します。はじめての美術館見学や、自由研究のための学習としてもおすすめです。ぜひ会場で「あ!」っと気づき、楽しい時間をお過ごしください。
会期
2025年6月24日(火)~8月31日(日)予定
※前後期で一部展示替えを実施
前期:6月24日(火)~7月27日(日)
後期:7月29日(火)~8月31日(日)
開館時間
9:30~17:30(入館は17:00まで)
休館日
毎週月曜日
月曜が祝日または振替休日の場合はその翌平日
開館:7月21日(月・祝)、8月11日(月・祝)
休館:7月22日(火)、8月12日(火)
会場
3階企画展示室
主催
墨田区・すみだ北斎美術館

展示構成および本展の見どころ

プロローグ:浮世絵と北斎 早わかり案内所
 浮世絵とは?
 葛飾北斎(1760-1849)ってどんな人?
1 北斎の作品をみてみましょう
 「冨嶽三十六景」が代表的!<版画(錦絵・摺物)>
 小説の挿絵から絵のお手本まで!?<版本>
 北斎が直接描いた一点もの!<肉筆画>
2 「あ!」っと、みつけて、みえてくる!
1 共通点をみつけましょう
2 違いをみつけましょう
3 絵をみて、みえてくる?

 

プロローグ 浮世絵と北斎 早わかり案内所

浮世絵とは?

「浮世」という言葉は、もとは仏教用語でしたが、北斎が活躍した江戸時代には今風、現代風という意味が加わりました。「浮世絵」とは江戸時代の庶民の生活などを描いた絵のことを言います。これを描く人を浮世絵師とよびます。浮世絵には浮世絵師が直接描いた肉筆画と、絵師の他に版木を彫る彫師、版画を摺る摺師など手分けして作業する版画があり、版画には「冨嶽三十六景」のような一枚ものの版画(錦絵や摺物など)と、『北斎漫画』のような本の形の版本があります。
木版画の技術の発達により大量に印刷することができるようになり、庶民に広まっていきました。

葛飾北斎(1760-1849)ってどんな人?

江戸時代中後期に活躍した浮世絵師。「冨嶽三十六景」シリーズなどの代表作があります。
数え19 歳で浮世絵師としてデビューし、当時としてはかなり長寿で、90 歳で亡くなるまで生涯絵師として活躍し続けました。
北斎の作品はやがて国外にも伝わり、海外の芸術家にも大きな影響を与えました。

 

1:北斎の作品をみてみましょう

「冨嶽三十六景」が代表的!
<版画(錦絵・摺物)>

「冨嶽三十六景」の代表的な一図で、東海道の宿場である神奈川宿(現在の横浜市神奈川区)の沖から富士山をみた図です。
波の間にみえる船は、江戸湊(現在の東京湾)やその他周辺の地域から江戸へ新鮮な魚を急いで送るための押送船(おしおくりぶね)です。大きな波が水しぶきをあげながら力強く立ち上がり、それに揺さぶられる船の人々と、静かにたたずむ富士山の対比を表わした作品です。
海外では「Great Wave」とよばれ、日本では2024年7月から1000円札の裏側のデザインに使われるなど、世界中で親しまれています。

葛飾北斎「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」
すみだ北斎美術館蔵(通期)※1
※1 
半期で同タイトルの作品に展示替えをします。
富士山の△が
くり返されている!?

 

小説の挿絵から絵のお手本まで!?
<版本>

葛飾北斎『敵討裏見葛の葉』四
妖婦ふたゝび形をあらはし保名童子に見えて仇人悪右衛門が事を告ぐる
すみだ北斎美術館蔵(通期)
薄墨がほどこされていたところが、
後摺では省略され空白に!

 

 

北斎が直接描いた一点もの!
<肉筆画>

北斎が40 代前半ごろに手がけた肉筆画です。
ヤドカリ、シジミ、アワビ、イカ、モウオ、エビ、タイラギの7 種の魚介が描かれています。
墨のにじみを活かした「たらし込み」や、筆を寝かせて濃淡をあらわす「付け立て」の技法も使いながら、魚介独特の質感を表現しています。

葛飾北斎「魚介図」すみだ北斎美術館蔵(前期)
イカは、貝殻を粉末状にした胡粉と
墨で着色されている!
 

2: 「あ!」っと、みつけて、みえてくる!

 1 共通点をみつけましょう

遠江(とおとうみ)とはかつての静岡県西部をさす国名です。ここでは、その山中で、職人が木材を切り分けて、材木に仕立てる作業が描かれています。大きな木材の下には、のこぎりを研ぐ職人や赤ん坊を背負った女性、焚火の番をする子どもの姿もみられます。

葛飾北斎「冨嶽三十六景 遠江山中」
すみだ北斎美術館蔵(通期)※1
※1 
半期で同タイトルの作品に展示替えをします。

 

本図は『百人一首』の歌を題材とするシリーズの一図です。平安時代の歌人、春道列樹の川に流れる紅葉を詠んだ和歌「山河に風のかけたる柵(しがらみ)は流れもあえぬ紅葉成けり」が題材となっていますが、この絵は木材を切る職人に注目して描かれています。「冨嶽三十六景 遠江山中」にも木材を切る職人が登場しています。木材の下には、「遠江山中」と同じくのこぎりを研ぐ職人や漁をしていると思われる人のほか、亀を連れた親子が橋を渡る様子もみられます。

葛飾北斎「百人一首宇波かゑとき 春道列樹」
すみだ北斎美術館蔵(後期)
いくつもの△がかくれている!?
木材や支柱がつくる三角形がくり返される
工夫された構図!

 
 

 2 違いをみつけましょう

山裾には黒い雲がたちこめ雷がとどろいていますが、上空は青空に雲が浮かんでいます。富士山を中心に、2つの対照的な天候を描くことで、富士山の大きさや高さを表現しています。「神奈川沖浪裏」「凱風快晴」とともに、「冨嶽三十六景」シリーズを代表する作品です。なお、雷の稲妻は、すみだ北斎美術館のロゴマークのデザインの元になっています。

すみだ北斎美術館 ロゴマーク
葛飾北斎「冨嶽三十六景 山下白雨」
すみだ北斎美術館蔵(前期)
葛飾北斎「冨嶽三十六景 山下白雨」
吉野石膏コレクション すみだ北斎美術館寄託(後期)
葛飾北斎「冨嶽三十六景 山下白雨」変わり図
すみだ北斎美術館蔵(前期)
同じ絵なのに、
どれも少しずつちがう!?
 

 3 絵をみて、みえてくる?

五百羅漢寺(ごひゃくらかんじ)とは、現在の江東区にあった寺院です。「さゞゐどう(さざいどう)」の正式名は三匝堂(さんそうどう)といいます。内部が3層のらせん構造になっており、さざえに似ていることから、さざい堂とも呼ばれました。本図では、建物や人々の姿勢などは、富士山に視線をさそうような構成で描かれています。

葛飾北斎「冨嶽三十六景 五百らかん寺さゞゐどう」
すみだ北斎美術館蔵(通期)※1
※1 半期で同タイトルの作品に展示替えをします。
どこからか

鳥の声が…

 
 

 作品リスト

企画展「あ!っと北斎~みて、みつけて、みえてくる浮世絵」作品リスト

 

 観覧料

 
通常 
団体 
一般
1000円
900円
高校生・大学生
700円
600円
65歳以上
700円
600円
中学生
300円
200円
障がい者
300円
200円
小学生以下
無料
無料

・観覧券については、日時指定によるオンライン購入が可能です。ご来館当日に受付に並ばずにご入館いただけますので、下のリンクからぜひご利用ください。※販売数に限りがありますので、あらかじめご了承ください
 公式オンラインチケットサイト

・中学生、高校生、大学生(高専、専門学校、専修学校生含む)は生徒手帳または学生証をご提示ください。
・65歳以上の方は年齢を証明できるものをご提示ください。
・身体障害者手帳、愛の手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、被爆者健康手帳などをお持ちの方及びその付添の方1名まで、障がい者料金でご覧いただけます。入館の際は、身体障害者手帳などの提示をお願いします。
・観覧日当日に限り、4階『北斎を学ぶ部屋』、常設展プラスもご観覧いただけます。
・団体でのご観覧は事前予約が必要です。団体のみなさまへをご確認ください。
・学校団体、校外学習でのご観覧は事前予約が必要です。学校の先生方へをご確認ください。
・観覧券購入後の変更、払戻しはお受けできません。ただし、不可抗力による休館が発生した場合に限り、払い戻しを行います。

 

 展覧会リーフレット

展覧会の構成に沿って、オールカラーで見どころをたどることができるリーフレットです。
展覧会リーフレット 
タイトル あ!っと北斎~みて、みつけて、みえてくる浮世絵~
価格 350円(税込)
形態/ページ数 A4サイズ 全8ページ
発売日 2025年6月24日(火)
販売場所 すみだ北斎美術館1階 ミュージアムショップ
※画像の無断転載・転用を禁止します。
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北斎をめぐる美人画の系譜~名手たちとの競演~

2025年9月16日(火) 〜 2025年11月24日(月)
現代では、北斎というと「冨嶽三十六景」をはじめとする名所絵(風景画)で有名ですが、寛政12年(1800)の洒落本『大通契語(たいとうけいご)』では、美人画の名手として取り上げられるほど、世に認められていました。北斎の美人画は時期によって画風を大きく変化させており、その背景には、当時流行の美人画のスタイルとの密接なかかわりがあります。
本展では、美人画の名手としての北斎のルーツである、宮川長春から北斎に至る系譜の優品の数々や、北斎と同時代の浮世絵における美人画の名手たちの作品とともに、北斎の美人画の変遷を追い、その魅力と美人画の分野における立ち位置を明らかにします。
会期
2025年9月16日(火)~11月24日(月・振休)予定
※前後期で一部展示替えを実施
前期:9月16日(火)~10月19日(日)
後期:10月22日(水)~11月24日(月・振休)
開館時間
9:30~17:30(入館は17:00まで)
休館日
毎週月曜日
(月曜が祝日または振替休日の場合はその翌平日)
会場
3階企画展示室、4階企画展示室
主催
墨田区・すみだ北斎美術館