長大判錦絵 天保5年(1834)頃 満開の桜を背に、鷹狩(たかが)りに用いる鷹の凛(りん)とした姿を描いています。春の華やかな雰囲気を感じさせる作品です。鷹は止まり木に組紐(くみひも)で繋(つな)がれていて、その羽根や足には細かな描写がみられます。翼の白い斑(はん)を表すために薄墨も用いられ、非常に手の込んだ表現がなされています。本図は長大判と呼ばれる縦長サイズの作品ですが、北斎が手がけた長大判の花鳥画は他にもいくつか知られており、「亀」「鯉の滝登り」「雪松に鶴」「牧馬」などがあります。