作品解説
大大判錦絵 文政(1818-30)初期頃
江戸湾を中心に房総半島から鎌倉までを1図におさめた鳥瞰図です。細かく地名が記されていますが、1図におさめるために地形は大胆にデフォルメされています。画中には土地の名前だけではなく名所旧跡なども記されています。現在の千葉県安房郡鋸南町にある鋸山には、「ひきおろすのこぎり山のかすみかな」と、地名だけではなく、土地にちなんだ句も記されているなど、土地の情報が盛り込まれており、現在のガイドブックを見るような楽しみ方もできます。画面左上には、墨田区内の名所も描かれています。
錦絵