冨嶽三十六景 礫川雪ノ旦

作品解説

大判錦絵 天保2年(1831)頃
題名の「雪ノ旦」は、雪の朝を意味し、現在の東京都文京区にあたる小石川からの富士山の眺望が描かれています。雪景色の中、眺めのよい茶屋には人々が集っています。画面左側に空を飛ぶ鳥を指さす女性、右側上方に鳥を小さく描くことによって画面に広がりを持たせるとともに、富士山が描かれている画面の右側に鑑賞者の視線を誘導しています。

錦絵