大判錦絵 天保2年(1831)頃 下界は黒雲がたちこめ雷鳴とどろき、上空は青空に雲が浮かんでいます。富士山を中心に、2つの対照的な天候を描くことで、富士山の大きさ、高さを表現しています。「神奈川沖浪裏(かながわおきなみうら)」「凱風快晴(がいふうかいせい)」とともに、冨嶽三十六景シリーズを代表する図柄として知られていますが、具体的な名所や風俗を描くより、富士山そのものをどのようにとらえるかに力が注がれているように感じられます。なお、本図の雷の部分は、美術館のロゴのデザインの元にもなっています。