大判錦絵 天保初年(1833-34)頃 現在の群馬県高崎市の烏川(からすがわ)にかかっていたと伝わる舟橋が描かれています。舟橋とは、舟を横に並べてつなげ、その上に板を渡した橋のことです。佐野の舟橋は、古来より和歌や謡曲の題材として親しまれてきました。江戸時代には、このような形の橋は当地になかったので、古(いにしえ)の佐野の舟橋を描いたと考えられています。シリーズ中唯一の雪の景で、冬の情緒が表されたこの作品は海外でも評価されており、印象派の画家クロード・モネも同図を所蔵していました。