冨嶽三十六景 深川万年橋下

作品解説

大判錦絵 天保2年(1831)頃
万年橋は、現在の江東区を流れる小名木川(おなぎがわ)が隅田川に合流する地点に架かる橋です。海抜の低いこのエリアでは、洪水対策と舟の航行を容易にするため、アーチ型の橋を架けていました。きれいな弧を描く橋の下から富士山を望む構図は、北斎が好んだのか、本図が描かれた20~30年前に洋風版画「たかはしのふじ」でも描いています。小名木川の両岸を西洋の透視図法を用いて描くことで、自然と視線が富士山へと導かれる工夫が施されています。

錦絵