大判錦絵 天保初年(1833-34)頃 現在の愛知県岡崎市にあった東海道岡崎宿の西側、矢作川(やはぎがわ)に架かる矢作橋(矢矧橋)を描いた作品です。長さが約378mあり、東海道で最も長い橋として有名でした。交通の要所でもあり、本図でも橋上に人々がびっしりと描き込まれ、その賑わいが表わされています。川原に干された傘の「馬喰町二丁」「永寿堂」の文字や、傘や弓場の幕の巴紋は、馬喰町2丁目(東京都中央区)にあった「冨嶽三十六景」や本シリーズを刊行した板元の永寿堂西村屋与八を示しています。