新板浮絵三芝居顔見世大入之図

作品解説

大判錦絵 文化(1804-18)中期頃
ピーター・モース コレクション 区指定有形文化財(絵画)
三芝居とは江戸にあった3つの芝居小屋のことで、堺町の中村座、葺屋町ふきやちょうの市村座、木挽町こびきちょうの森田座を指します。本図は中村座を描いています。「顔見世」とは11月の興行のことです。歌舞伎の世界で「顔見世」は正月にあたり、その年にそれぞれの芝居小屋に出演する役者が顔をそろえます。中央に演目名が書かれた大看板、その左右に役者の名前が書かれた看板が掲げられますが、ここでは中央の看板に本作の出版元の宣伝が書かれています。人々の賑わいが新しい1年を迎える芝居町の華やかな雰囲気を感じさせる作品です。

錦絵