新板浮絵芝愛宕山遠見之図

作品解説

大判錦絵 文化(1804-18)中期頃
ピーター・モース コレクション 区指定有形文化財(絵画)
現在の東京都港区に位置する標高約26メートルの愛宕山にある愛宕権現の境内を俯瞰でとらえています。画面左下に見える石段は急なことで知られ、三代将軍徳川家光の命で曲垣平九郎(まがきへいくろう)が馬に乗って上り下りして名を広めたことから、「出世の石段」として有名です。階段の上には仁王門があり、左右には葭簀(よしず)張りの茶屋が並んでいます。江戸時代の愛宕山は、江戸湊(東京湾)を見渡せる眺望の良い場所で、本図でも背景に海が広がり、遠くに富士山がみえます。

錦絵