冨嶽三十六景　甲州犬目峠

作品解説

大判錦絵　天保2年（1831）頃
現在の山梨県上野原市には、犬目宿と呼ばれる甲州街道の宿場がありました。犬目峠の具体的な場所は現在ではわからなくなってしまいましたが、犬目宿の西隣りの下鳥沢宿（しもとりさわしゅく）に行くまでの間にあったとされています。犬目宿は郡内地域の宿の中で最も標高が高く、本図でも高く強調された坂を登る旅人が描かれています。小さく描かれた旅人と雄大な富士山の対比が印象的な1図です。犬目峠からのぞむ富士山は、歌川広重も「不二三十六景　甲斐犬目峠」（嘉永5年〈1852〉）で描いています。

錦絵

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