作品解説
大判錦絵 天保2年(1831)頃
現在の品川区にあった東海道1番目の宿場町、品川が画面左下に、花見の名所として知られた御殿山(品川区北品川)が手前に描かれています。江戸時代の御殿山は江戸湊(東京湾)の絶景が見渡せる場所で、桜や景色を楽しむ人々で賑わいました。本図でも、酒をのむ人々や家族連れで賑わう様子が描かれています。版元である永寿堂(西村屋与八)の商標が入った風呂敷包みを背負う小僧も見られます。なお、桜は薄い紅のぼかし摺りと色を着けずに凹凸だけで表す空摺の点で花びらが表現されています。
錦絵