亀井戸開帳

作品解説

大判錦絵 享和年間(1801-04)
ピーター・モースコレクション 区登録有形文化財(絵画)
亀戸(亀井戸)天神(江東区亀戸3丁目)の開帳を描いた作品で、「開帳」と書かれた赤い提灯が目を引きます。亀戸天神は、古くから藤の名所として知られていました。ここでも藤棚に花が咲き誇り、下の池には燕子花(かきつばた)も花を咲かせています。供を従えた武家の女性たちが楽しそうに歓談しながら歩いています。この作品を描いた時期の北斎は、摺物と呼ばれる私家版の版画を数多く手がけ、人気を博していました。この作品も、春朗期の錦絵とは趣が異なる、淡い色調でまとめられた摺物風の作品となっています。

錦絵