「モザイクアート」「サンドアート」完成!

 12月2日(月)と3日(火)に、墨田区役所1階アトリウムを使用し、区内の立志舎高等学校の生徒が中心となって、区民の方々とともに北斎作品をデザインした「モザイクアート」「サンドアート」の制作を行いました。これは、10月に実施したPRイベント「ぱらぱら北斎 漫画カフェ~北斎を知ろう」に続く企画として“すみだと北斎”プロモーション実行委員会が区内の団体と共催で実施する、むすぶ“北斎”↻ひろがる“すみだ”サポート・イベントの幕開けとなるイベントです。

 会場では、同校の生徒が、区民の方々に丁寧に作業の仕方を教えるなどして、参加された皆様も楽しそうに作業を行っていました。最終的に作り上げた巨大なサイズ(モザイクアート:縦約2.9m×横約3.7m、サンドアート:縦約2.4m×横約3.2m)の両作品はともに圧巻の一言に尽きます。あまりにも素晴らしい出来栄えに感嘆の声を上げる方もいらっしゃいました。

 展示は区役所のアトリウムで、12月5日(木)まで行っています。区役所にお越しの際は、是非ご覧になってみてください。

 今後も、むすぶ“北斎”↻ひろがる“すみだ”サポート・イベントは続いていきます。是非、ご期待ください!

     
「モザイクアート」                       「サンドアート」
冨嶽三十六景「神奈川沖浪裏」              冨嶽三十六景「隅田川関屋の里」


会場は多くの参加者で賑わいました。

緑町公園のクリスマスイルミネーション

 
 すみだ北斎美術館の建設地は亀沢二丁目です。この北側に緑町公園があります。毎年11月
になるとクリスマスイルミネーションを始めます。地元の商店会が主催で、今回で9回目とのこ
とです。地元では毎年恒例のイベントです。

 11月8日、この日は点灯式が開催されました。大勢の人が集まっています。真っ暗ななか、カ
ウントダウンとともにいっせいに光りました。感動です。すごくきれいです。

 ここのところ急に寒くなりました。やっぱりイルミネーションは冬の夜空が一番合いますね。

 このイルミネーションは1月19日まで、毎晩点灯するとのことです。

 近くにお越しの際は、立ち寄ってみてはいかがですか。

               

「すみだ水族館」出張展示しています。

 

只今「ぱらぱら北斎 漫画カフェ~北斎を知ろう」開催中です。

「すみだ水族館」の協力により、北斎が描いた水のいきもの、ナマズときんぎょ(らんちゅう・わきん)を展示しています!

また、「すみだ水族館」の飼育スタッフさんが、北斎が描いた水生生物について出張解説してくれます。

とき 10月18日(金)午前10時~10時30分
       19日(土)午後3時30分~4時
場所 墨田区役所1階 アトリウム :申込不要

ぜひ、観に来てくださいね!!

(すみだ水族館の飼育スタッフさんたちが、水槽を設置してくれている様子。結構大変なんですね~。)
 

 (設置後、たくさんの人が興味深く覗いています)

 

 

版画の作り方

皆様は版画の作り方をご存知でしょうか?ぼんやりとは浮かぶけど、具体的に何をするのかはわからない、といった方も多いのではないでしょうか?
本日はこの版画の作り方について簡単にご紹介したいと思います。
 
まず、版画制作は、「版元」と呼ばれる当時の出版社にあたる店から絵師に対して作画を依頼するところから始まります。絵師は版元の指示を受け、絵の下書きをします、その下書きに対して版元から「OK」が出されると、清書を作成します。この清書のことを「版下絵」と呼び、版木に裏返して直接貼り付けるため、薄い紙に墨一色で描かれていました。
 これができあがると、いよいよ彫師が登場し、版下絵が貼られた版木に墨の線だけを残し、周囲を彫っていきます。これにより、「主版」と呼ばれる画線部だけが残った墨色の版木ができあがります。
 次に、色版(カラーの版画を作るための版木)作成のため、摺師が主版をもとに色の数分だけ摺っていきます。これを「校合摺」と呼びます。絵師は摺師が作った校合摺に対して「この部分はこの色を使う」といったように、1枚1枚色を指定していきます。
 絵師が使いたい色を指定したら、今度は彫師がその指示通りに版木を彫っていきます。例えば、版画の中で赤色を使うのであれば、赤色を使用する部分だけを彫りあげていくことになります。これを校合摺と同じく色の数分だけ作らないといけません。色が10色あれば、10枚の色版を彫ることになるので、相当大変な作業だったのではないでしょうか。
 最終的に、それぞれの板を摺師が摺り重ね、ようやく1枚の版画ができあがるのです。
 
 こういった作業を頭に思い浮かべて作品を眺めてみると、版画の見方が変わってきませんか?下記の版画は「新板浮絵三囲牛御前両社之図」という作品ですが、絵師・彫師・摺師それぞれの専門技術がいかんなく発揮されないとこのような色鮮やかな版画を作りだすことは到底できません。
新版浮絵三囲牛御前両社之図

 新版浮絵三囲牛御前両社之図

  皆様が次回版画を鑑賞する機会がありましたら、版画の完成に至るまでの工程を思い出してみてください。もしかしたら新しい発見があるかもしれませんよ。
 当サイト「版画の豆知識」コーナーでも版画についての紹介をしております。是非ご覧ください。

埋蔵文化財発掘調査が終了しました

 すみだ北斎美術館建設地で行ってい埋蔵文化財発掘調査が8月末で終了ました
 

 
 
 
 
 
  
 
 
 

 8
17日(土)に行った現地見学会では、2間という短い時間でしたが65の方見学に訪れました。見学された方々は、区の文化財保護指導員から遺跡(弘前藩津軽家の上屋跡)に関する説明を受け、熱心に見入っていました。

 

「赤富士」を描きました!

 

区内にある寺島保育園のすみれぐみのみんなが「赤富士」を描いてくれました。

とても雄大で、臨場感があって、山容全体が真っ赤に染まっています。とっても上手に描かれていますね!

寺島保育園の園舎玄関口に飾られています。前を通ったら、ぜひ見てくださいね!

 

「富士山」といえば、今年6月に世界文化遺産に登録されましたね! 

おめでとうございます!!

これで日本の世界文化遺産は13件となり、4件の自然遺産と合わせて、日本の世界遺産登録は合計17件となりました。

北斎もきっと喜んでいると思います。

 

 

 

 

 【「冨嶽三十六景 凱風快晴(通称:赤富士)」をもとに園児たちが描いた作品】

  

 

すみだ水族館の「アクアTシャツ」

 

 先日、区役所内ですみだ水族館のオリジナルTシャツを着たかわいいお子様を見かけました。あまりにも良い出来映えだったので、お母様にお声かけをして、写真を撮らせていただきました。

 
 
 このTシャツは、すみだ水族館で行っている体験プログラムの中で作れる「アクアTシャツ」と呼ばれるものです。白地のTシャツに北斎が描いた水生生物のスタンプを押して世界に一つだけのオリジナルTシャツを作ることができます。お母様のお話をうかがうと、「アクアTシャツ」のコーナーは大盛況だったようです。
 体験プログラムは他にも用意されているので、是非チェックしてみて下さい!
 
 まだまだ暑い日が続くようですね、水族館で涼しい夏を過ごしてみてはいかがでしょうか?
 
 

  

自分でデザインができるアクアTシャツ。鮮やかな仕上がりでした。

 

隅田川花火大会が中止になってしまいました。

 今年も夏の風物詩である隅田川花火大会が7月27日(土)に行われましたが、あいにくの雨により途中で中止となってしまいました。花火を楽しみにされていた方々にとっては非常に残念な1日だったと思います。

 

 そこで、本日は皆様に北斎の作品で花火を楽しんでいただこうと思い、このような版画をご用意いたしました!作品名は「新板浮絵両国橋夕涼花火見物之図(しんぱんうきえりょうごくはしゆうすずみはなびけんぶつのず)」といいます。

 

 

 

 これは、北斎がまだ若いころに描いた作品です。広大な隅田川を横切るように両国橋が描かれており、空に上がった華麗な花火が人々を魅了している様子がうかがえます。江戸時代でも花火は大人気だったんですね。
 今も昔も夏には欠かせない一大行事である花火大会。来年は是非とも晴れの夜空に盛大な花火が打ち上がることを期待しましょう!
 
 

 当サイトでは、ご紹介した作品以外の北斎作品も、より高精細でお楽しみいただけます。

 北斎作品コレクションコーナー

 

「北斎通り」を散策してきました(その2)

(後編)

 そうこう考えながら先へ進むと、左手にはあられ屋さん。ここの「北斎揚げ」はとても美味しくておススメ。味は塩、醤油、カレーの3種類。パッケージに北斎の作品を使用するこだわりようです。

 

 北斎通り沿いには「北斎」の名称が使われているマンションやビル、店舗なども増えてきたように感じます。少しずつ店舗も増えてきましたが、個人的にはもう少し店舗が増えてくると賑わいが出てくるのかなぁと感じました。

 

 

 

 



 そんなこんなで、ゆっくり歩いて20分で錦糸町駅前へ。昔にはなかった東京スカイツリーが時々あたまをのぞかせ、電線が地中化されていることで上空の景色もはっきりと見ることができて、清々しく歩くことができました。美術館が完成する頃には、街並みもどのように変わっていくのか楽しみです。

 

「北斎通り」を散策してきました(その1)

休日の午前中。久しぶりに「北斎通り」をぶらりと散策することにしました。

 北斎通りは清澄通り(都営大江戸線両国駅前)から横十間川(錦糸橋)までの東西を走る約2kmの区道。北斎通りという名称は、この付近(本所割下水)で葛飾北斎が生まれたことに因んでいます。毎年10月には「北斎祭り」が開催され、北斎通り周辺の緑町公園や大横川親水公園などでは各種イベントで賑わっています。

 

 清澄通りから北斎通りを錦糸町駅方面へ歩いて行くと、右手に銭湯が見えてきました。ここの銭湯はサウナや岩盤浴もあり、なんと湯舟の壁面には、北斎の作品も見ることができるそうです。お風呂に入りながら、北斎作品を見ることができるなんて何とも心地よい気分に浸れそうですね。

  
  少し歩くと右手には緑町公園。奥には平成27年度に開設する「すみだ北斎美術館」の建設地が見えてきました。美術館ができると、公園で遊び疲れた子どもたちも館に入ってクールダウン。心を落ち着かせて北斎作品を観て、触れて、感性を磨く。北斎や浮世絵について語れる子どもたちが出てくる日も近いかも。そんな美術館になるといいなぁ・・・ではなく「したい」と思っています。

(後編に続く)

 

 

すみだ発!北斎オリジナルグッズ

 

今日は梅雨の中休みです。すみだ産業会館に行ってみました。この施設は、JR錦糸町南口の丸井錦糸町店との複合施設で、このビルの8・9階にあります。
 
 【すみだ産業会館】
 
8階に行ってみると、墨田の区内企業の製品がいろいろと展示されています。
そのなかに「すみだ発!北斎オリジナルグッズ」があります。以前、墨田区役所の1階でも展示していることを紹介しましたが、ここすみだ産業会館の展示では、より数多くの北斎オリジナルグッズが紹介されています。
 
北斎オリジナルグッズとは、墨田区が所蔵する冨嶽三十六景などの北斎作品を使ったグッズのことで、墨田の区内企業が造ったものです。結構種類は豊富です。
 
エコレザー(東京ピッグスキン)やガラスなどのさまざまな素材に、色あざやかな北斎作品を、素材本来の質感を失うことなく表現しています。まさに「ものづくりのまち墨田」ならではの製品です。
 
  
【エコレザー製品】                  【クリアファイル】
 
錦糸町にお立ち寄りの際は、すみだ産業会館まで足を伸ばしてみてはいかがですか。
 

梅雨入りしましたね。

  関東地方は例年より10日早く、5月29日ごろに梅雨入りしたそうです。
今週半ばから、ようやく雨が降り始めましたね。

さて、北斎が描いた『絵本隅田川 両岸一覧』の「新柳橋の白雨」では、雨の中を急いで橋を
渡る人々がいて、さしている唐傘(江戸時代に“からかさ”と呼ばれていた。)には、店の屋号や
傘の番号が描かれています。
とっても粋な感じですよね~!
現代でも、このような傘をさしていたら面白いですね!

 梅雨の時期特有のじめじめ感とむしむし感が嫌ですよね。
6月は、12ヶ月のなかでも最も評判の悪い月とも言われていますが、体調に気をつけて乗り切
りきましょう!

 

(『絵本隅田川 両岸一覧』 「新柳橋の白雨」)
『絵本隅田川 両岸一覧』 「新柳橋の白雨」  

世界のVIP“北斎”

 

 有名な絵師としてその名を轟かせている葛飾北斎。実は国内だけでなく、国外でも北斎の評価が非常に高いことをご存知でしょうか?

 アメリカの有名なフォトジャーナル誌『LIFE』が1998年に発表した『ザ ライフ ミレニアム』の「この1000年で最も重要な功績を残した世界の人物100人」の中で、日本人で唯一北斎が選ばれています。

 ランキング上位にはエジソン、コロンブス、ニュートンなど世界中で知られている偉人が並んでいることから、北斎がアメリカにおいてもとても知名度の高い人物であるということがうかがえます。

 また、ドイツでは2011年に日独交流150周年を記念して北斎の展覧会が行われ、約10万人もの観客を動員しました。

 北斎は、欧米では私たちが想像する以上に有名なのですね!
 北斎の活躍に今後も目が離せません(^_^)

                 

 『ザ ライフ ミレ二アム』の表紙      北斎は86位にランクイン

 

回向院

 墨田区内には北斎ゆかりの地がたくさんあります。その一つが両国にある回向院です。
 
 明治期の浮世絵研究家・飯島虚心によると、両国の回向院では、北斎が大きな布袋と米一粒に雀2羽を描いたという興味深い逸話を伝えています。
 
 回向院では、現在、江戸時代に大人気を博した善光寺の回向院出開帳が、東日本大震災で亡くなられた方のご供養と被災地の復興支援を目的に、4月27日から5月19日まで戦後初開催されています。
 
 5月に入り、吹く風も夏めいてきました。この機会に是非お立ち寄り下さい。
 
(善光寺回向院出開帳)
 
* 回向院  東京都墨田区両国2丁目8番10号
 
 

北斎忌

 4月18日は、北斎さんの祥月忌日にあたります。

 1849(嘉永2)年4月18日、浅草聖天町遍照院境内の長屋で、老衰のため90歳で生涯を閉じましたが、亡くなる直前に大きく息をして、「あと10年の寿命があれば」と言い、しばらくして「5年の寿命が保てれば本当の絵師になれるのに」と言葉を発して不帰の人となったと伝えられています。

 当時としても大変長命であった北斎さん、最期まで持ち続けていた作画への情熱は“あっぱれ”ですね。北斎さんが残した辞世の句は、「人魂でゆくきさんじや夏の原」。

 毎年、4月18日には、北斎さんのお墓がある誓教寺で追悼法要が営まれています。

 

 (北斎 辞世の句)

 *誓教寺(せいきょうじ)    台東区元浅草4丁目6番9号

“将来の北斎”と職人のコラボが実現!

 2月の当ブログで、北斎生誕の地にほど近い墨田みどり保育園の園児たちが、北斎の作品を手本に作画に取り組んでいることを紹介しました。 (2月の記事はコチラ)このほど、そのうちの一作品が、墨田区内の職人の手により、大きな屏風に仕立てられました。
  北斎の代表作、「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」をモチーフとして3年前に制作されたこの作品には、富士山の代わりに建設中の東京スカイツリーRの姿が描かれています。小さな芸術家たちの無限の感性と、すみだの職人の匠の技が融合した格調高い屏風です。

完成した屏風(高さ約120cm、幅約170cm) 屏風を囲んで記念撮影


(Posted by Big Dipper)


園児たちの北斎画 屏風に 墨田の保育園 地元職人が協力、寄贈(TOKYO Web・東京新聞)
園児作「北斎」、びょうぶに 東京・墨田の保育園に寄贈(朝日新聞デジタル)

区役所で北斎?!

顔出し看板 隅田川のほとりにある墨田区役所。この1階に北斎スポットがあるのをご存知ですか?

 正面玄関を抜け、エスカレーターの左手を進むと、正面に白黒模様の看板。よく見ると、なんとも愉快な表情の顔がいくつも描かれ、そのうち2箇所に穴が開いています。観光地などでよく見かける顔出し看板です!描かれている顔は、北斎の代表作品のひとつ、『北斎漫画』からとったもの。
 

 この顔出し看板の左手にある展示室内で、北斎にまつわる展示をしています。中央には、北斎作品の写真パネルや複製をテーマに沿って展示する「葛飾北斎展示コーナー」。テーマは半年ごとに変わるので、要チェックです。左手奥には大きな赤富士が見えます。この一角では、北斎の生涯や、すみだと北斎の関わりについて紹介しています。また、部屋の右手には北斎作品をデザインした区内企業のオリジナルグッズの紹介コーナーが。皮革、ガラス、食品等、様々なジャンルの品が並んでいます。
 まもなく、隅田川は桜の季節を迎えます。お花見の途中ちょっと寄り道して、北斎にふれてみてはいかがでしょうか。

                           
                            葛飾北斎コーナー
                現在のテーマは「隅田川を東京スカイツリーまで歩こう!」

   

          
  北斎について学べます                   すみだ発!北斎オリジナルグッズ

葛飾北斎コーナーについてはコチラ

(Posted by Big Dipper)


 

富士山は見えるか?

 冨嶽三十六景―。様々な場所からの富士山の姿を人々の生活と絡めて描いた、北斎の代表的風景版画のシリーズです。北斎は必ずしも見たままの景観を描いているわけではありませんが、「どこから見たのだろう?」と、つい考えてしまいます。

 先日、長野県の諏訪湖に旅しました。ほぼ全面が結氷した湖面を眺めていると、冨嶽三十六景の一図「信州諏訪湖」が頭をよぎりました。果たして、諏訪湖からの富士山はどの様に見えるのか?

 早速、湖を一周。すると見えました。霞んではいますが伸びやかな山容はまさしく富士山!湖畔からは手前の山並みに遮られ、作品に描かれている八ヶ岳連峰は見えず、近景の松や祠は見当たりませんでしたが、少し高いところからであれば、近い構図になりそうです。

 北斎もここから富士を見たのでしょうか?ひょっとしたら旅の疲れを温泉で癒していたかも・・・。

 (posted by Big Dipper)

 諏訪湖から見た富士山
 諏訪湖から見た富士山

「冨嶽三十六景 信州諏訪湖」


冨嶽三十六景 信州諏訪湖

 

 

将来の夢は北斎?

 「己六才より物の形状を写の癖ありて…」

 これは、北斎が75歳の時に出版した絵手本『富嶽百景』初編の跋文[ばつぶん](書物の終わりに記す文章)での一文です。

 北斎は、6歳のころから物の形を写し取る癖があったと自ら述べていますが、北斎生誕の地、すみだ北斎美術館建設地の近くにある墨田みどり保育園では、北斎が絵を描き始めたころと同じ年ごろの子どもたちが、北斎の絵をお手本に作画に取り組んでいます。

 以前、大きな紙にみんなで北斎の作品を描いている姿を見ましたが、その時の子どもたちのキラキラと輝く澄んだ眼が、今でも脳裏に焼きついています。

 将来、この子どもたちの中から、世界に通用するアーティストが誕生するかもしれません。

(posted by Cheek Pieces)

「冨嶽三十六景 凱風快晴(通称:赤富士)」をもとに園児たちが描いた作品【「冨嶽三十六景 凱風快晴(通称:赤富士)」をもとに園児たちが描いた作品】

作画の様子【作画の様子】

関連リンク

「園児の浮世絵、街おこしに…東京・墨田」(YOMIURI ONLINE・読売新聞)

「Little artists boldly follow in Hokusai's footsteps」(DAILY YOMIURI ONLINE・The Daily Yomiuri)

 

北斎の雪景色

 14日の成人の日は、2006年以来の大雪となり、都心では積雪8センチを記録しました。交通機関が大幅に乱れ、東京が雪に弱いことを思い起こさせました。
  一方、この大雪は、瞬く間に隅田公園を一面の雪景色に変えていました。人のいない公園は静寂な雰囲気に包まれており、墨田区にいることを忘れてしまいそうでした。
 
 北斎もすみだの雪景色を描いています。
 
 このサイトでは、「すみだと北斎とのかかわり」について知って頂きたいため、「北斎ゆかりの地」、「北斎が住んだ場所」、「北斎が描いた墨田区」を地図に現しています。
 北斎の雪景色は、「北斎が描いた墨田区」に掲載した「雪月花 隅田」でご紹介していますが、当時の墨堤は江戸庶民の行楽地であり、民家もまばらな寂寥感が漂う土地柄だったようです。
 
 「ゆかりの地」と「描いた墨田区」では、現代地図と古地図を重ねてあり、切り替えて見ることができます。北斎が活躍した時代にタイムスリップして、当時のすみだの面影を想像してみるのも一興ではないでしょうか。

(posted by モルゲンロート)

*すみだと北斎

雪の隅田公園