新板浮絵富賀岡八幡宮之図

作品解説

大判錦絵 文化(1804-18)中期頃
ピーター・モースコレクション 区指定有形文化財(絵画)
富賀岡八幡宮は、現在の江東区深川にある富岡八幡宮のことです。江戸時代から多くの人々が参詣し、親しまれてきました。勧進相撲発祥の地としても有名で、春と秋には境内で勧進相撲が行われていました。本図は桜の花が見えることから、春の様子を描いていることがわかります。門前には茶屋や食事処と思われる店が並んでいます。うららかな陽気に誘われて物見遊山に来た人々でしょうか。楽しげにそぞろ歩く参詣の人々が描かれています。すやり霞の赤が、心華やぐ季節を一層盛り立てています。

錦絵