略画早指南

作品解説

中本2冊 前編 文化9年(1812)頃、後編 文化11年(1814)頃
前編では、定規とコンパスを用いて絵を描く方法を説明しています。このアイディアは、天明7年(1787)刊の森島中良(もりしまちゅうりょう)の『紅毛雑話(こうもうざつわ)』で紹介されたオランダの画法がもとになっていますが、北斎は『紅毛雑話』にはない様々なモチーフを描いています。後編では、文字絵の描き方、筆や刷毛(はけ)の使い方が説かれています。「うらめしい」の文字で描く幽霊や、「たいくつ」の文字で描く大あくびをする人など、北斎のユーモアがうかがえます。

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