漁師図

作品解説

摺物 文政年間(1818-30)頃
水辺の岩場に座り、キセルを(くわ)えて一休みする漁師を描いた図です。本図は「自画賛(じがさん)」とあるところから、北斎の自画像で、賛も自分でつけたものではないかと言われています。「はま砂に面めつらしき嫁菜かな 万字(まんじ)」は、万字とあるところから北斎の賛とみられ、「此春は月のかつらをおるはかり 酔」の酔はエイとも読むこともできるので、北斎の娘、お栄の賛と考えられています。文政年間頃の制作とみられるので、北斎が60代の自画像ということになります。

摺物