上野花見帰り図

作品解説

摺物 寛政9年(1797)頃
ピーター・モース コレクション 区登録有形文化財(絵画)
上野の花見客を描いた作品です。「両大師」とある看板は、寛永寺の開山天海(てんかい)慈眼大師(じげんだいし))と天海が尊崇する良源(りょうげん)慈恵大師(じえだいし))を祀った開山堂、通称両大師の建物であることを示しています。女性や子どもたちなどが楽しげに話をしながら歩いています。建物の側では茶をいれている男性もいます。満開の桜の花は空摺で表現されています。全体的に淡い色調で、春らしい雰囲気が伝わってくる作品です。

摺物