冨嶽三十六景 隅田川関屋の里

作品解説

大判錦絵 天保2年(1831)頃
関屋の里は、隅田川上流の東岸、現在の墨田区の北方にあったと伝えられます。鎌倉時代の歌人・藤原光俊(ふじわらのみつとし)が和歌に詠み込んだ名所(などころ)ですが、江戸時代は人家もまばらで、草原か田畑のような所だったと考えられています。画面右手の高札場(こうさつば)から土手にかけて、疾走する3頭の馬と乗り手が描かれる図様は、シーボルトが編纂した『NIPPON』Ⅱ(1845年刊)の挿図の元ともなっており、北斎が西洋にも影響を及ぼした一例といえます。なお、本シリーズ中、すみだにゆかりのある3図のうちの1つに数えられます。

すみだを描いた作品

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