両国夕涼

作品解説

大判錦絵 享和年間(1801-04)
現在の中央区東日本橋辺りから両国橋を望んだ情景です。画面手前は、控えめながら美しい色調で、花火を眺める母と娘、材木置き場の木材で遊ぶ男児が描かれています。一方、両国橋から対岸の景色に至るまでの背景は、シルエットで表されています。花火の見物客で賑わう部分は影に沈めて、宗理(そうり)型美人と呼ばれる楚々(そそ)とした女性像に焦点を当て描かれています。右下の印章は、北斎の印章「画狂人(がきょうじん)」と、フランスの日本美術収集家アンリ・ヴェヴェールの所蔵印です。

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