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北斎 百鬼見参

2022年6月21日(火) 〜 2022年8月28日(日)
人気の錦絵「百物語」や版本などから鬼に関連する作品を紹介し、鬼才・北斎がどのように鬼を捉え、表現してきたかに迫ります。
会期
2022年6月21日(火)~8月28日(日)
 前期:6月21日~7月24日
 後期:7月26日~8月28日
開館時間
9:30~17:30(入館は17:00まで)
休館日
毎週月曜日
※開館:7月18日(月・祝)、休館:7月19日(火)
会場
3階企画展示室、4階企画展示室
主催
墨田区・すみだ北斎美術館

 展覧会概要

古来、日本人は鬼の存在を信じ、暮らしにも取り入れ、ともに生きてきました。神話・伝説、芸能、小説、マンガ、アニメ、ゲームに至るまで、鬼が登場する創作物は数多く、それだけ、鬼は日本人の心に深く根ざし、その精神世界の形成に大きな影響を与えています。そして、古典や芸能、また新たに江戸時代に起こった読本などを題材とする浮世絵にも、鬼は多く登場します。本展覧会では、人気の錦絵「百物語」や版本などから鬼に関連する作品を紹介し、鬼才・北斎がどのように鬼を捉え、表現してきたかに迫ります。また、当館初公開の貴重な北斎の肉筆画も展示します。北斎が描くさまざまな鬼が展覧会に集結する迫力ある様をぜひお楽しみください。

 

 本展の見どころ

◎ 北斎や門人が描いた鬼にまつわる浮世絵を前期・後期あわせて約145点展示!
作品を通して、鬼才・北斎が鬼をどのように捉え、表現してきたかに迫ります。

◎ 怖い鬼、哀しい鬼、愛すべき鬼…。
日本における多様な鬼の姿を描き出す、北斎の発想力と筆力をご覧ください。

◎ 北斎には珍しい能を題材にした肉筆画、葛飾北斎「道成寺図」を当館初公開!
能「道成寺」演目後半の見せ場「柱巻き」の場面が描かれています。面とは思えない生々しい顔の表現は、鬼女がそこに出現したかのような迫力です。
「道成寺図」は本展前期(6月21日~7月24日)が修復後の初公開となり、すみだ北斎美術館での展示も初となります。また、「道成寺図」を会期中いつでもお楽しみいただけるよう、今回新たに同作品の高精細複製画を制作、後期展示(7月26日~8月28日)にて展示いたします。

 展示構成

1章 鬼とは何か/2章 鬼となった人、鬼にあった人/3章 神話・物語のなかの鬼/4章 親しまれる鬼

1章 鬼とは何か
日本における「鬼」は、「幽鬼」のように死霊に対して鬼の字を用いることもありますが、鬼といえば思い起こす地獄の鬼をはじめとして、雷神のような鬼の様態を示す派生的な存在まで、幅広く鬼として捉えられています。森羅万象を描いた北斎の作品から、これら日本における広範な鬼の語の使用例や捉え方をうかがうことができます。本章では北斎の作品を通して、江戸時代の人々がどのように鬼をイメージし、どのような存在を鬼と考えていたかを紐解いていきます。

<冤鬼(えんき)>

 葛飾北斎『近世怪談 霜夜星』一 高西伊兵衛 於沢冤鬼 すみだ北斎美術館蔵(通期)

本図は北斎が挿絵を担当した読本(*1)『近世怪談 霜夜星』の挿絵で、お沢が死後に怨霊となり、夫の伊兵衛に襲いかかる場面が描かれています。注目すべきは怨霊を冤鬼(えんき、恨めしい鬼)と表記している点です。鬼という字が、元々中国で用いられてきた死霊の意味でも、江戸の人々に認知されていたことがわかります。

<釈迦の伝記に登場する雷神>

 葛飾北斎『釈迦御一代記図会』六 暴悪を罰して天雷流離王が王宮を焼君臣を撃殺す図 すみだ北斎美術館蔵(通期)

読本『釈迦御一代記図会』に登場する釈迦の伝記の一場面です。左に武器を振り上げて天罰の雷撃を落とす雷神、右に爆風渦巻く中に破壊される王宮を対比させるという、画面構成の大胆さが目を惹きつけます。北斎は、古来描き継がれてきた雷神にのっとり、雷神の背後に雷太鼓を描いていますが、乗り物は雲でなく雷獣に、顔は険しく恐ろしい形相とするなど、独自性を出しています。

*1 読本(よみほん):江戸時代後期に流行した小説の一種で、挿絵とともに楽しまれました。
 
2章 鬼となった人、鬼にあった人
日本の歴史において、鬼となった人、鬼にあった人の存在が数多く伝えられています。本章では実在した歴史上の人物のうち、鬼となった人、鬼にあったとされる人々の事績やエピソードをもとに制作された北斎の作品を紹介します。壮絶な恨みを抱いて鬼となった人、鬼に助けられた人、強力な呪術で鬼を使役した人など、鬼にまつわる多彩なエピソードを通して、古来日本人が、不幸のうちに亡くなった人々を鬼としておそれ、不思議な出来事を鬼と結びつけて考えてきたことを感じていただけるでしょう。

<平家一門>

 葛飾北為「摂州大物浦平家怨霊顕る図」すみだ北斎美術館蔵(後期)

源頼朝から刺客を放たれた源義経は、文治元年(1185)に大物浦(兵庫県尼崎市)から西国に逃亡しようとし遭難してしまいます。その史実が『平家物語』などで語り継がれるうちに、平家の怨霊の祟りによるとされ、能や歌舞伎の演目「船弁慶」などに戯曲化され広く知られるようになりました。
北斎門人の葛飾北為(かつしか ほくい)による本図も、この事件を描いています。三枚続きの大画面に、嵐に翻弄される義経の船、長刀(なぎなた)を手に鬼神のごとく襲いかかる平知盛と平家一門の怨霊があらわされています。

<角大師(良源)>

 蹄斎北馬「角大師と蝸牛図」すみだ北斎美術館蔵(前期)

角大師とは、平安前期の天台宗の僧、良源が鬼に化身した姿を指します。良源は自らにとりついた疫病神を法力で退散させましたが、疫病に苦しむ民を救うため一心に念じて2本角の痩せた鬼の姿となり、それを弟子に写させ護符にしたといいます。
本作は北斎門人の蹄斎北馬(ていさいほくば)が、角大師と蝸牛(かたつむり)を洒脱な筆づかいで描いた肉筆画(*2)です。

*2 肉筆画:浮世絵の中でも版画とは異なり、絵師が絵筆で直接紙や絹に描いた作品のこと。
 
3章 神話・物語のなかの鬼
日本の神話・物語には、数多くの鬼が登場します。それらの鬼は、江戸時代において、錦絵や版本など江戸のメディアでも広く知られ、北斎も作品としています。本章では日本神話や伝説、小説・演劇などの物語に登場する恐ろしい鬼、哀しい鬼、強者のイメージとしての鬼などを集め、さまざまな鬼の様相を紹介します。また、本章の目玉となる北斎の肉筆画「道成寺図」は、修復後初公開となります。

<酒呑童子>

 葛飾北斎『絵本和漢誉』大江山の鬼賊酒顚童子を退治す 源の頼光朝臣 すみだ北斎美術館蔵(通期)

武勇で名高い平安中期の武将・源頼光が、鬼の頭領・酒呑童子を退治する様子を、見開きのページを縦に使い、両者を上下に対峙させて描いています。頼光によって切断された酒呑童子の首が、不敵な笑みを浮かべて中空に舞う様子が黒い闇の背景とともにあらわされ、底知れない不気味さを漂わせています。

<鬼夜叉>

 卍楼北鵞「為朝と鬼ヶ島図」すみだ北斎美術館蔵(後期)

北斎の門人ないし孫弟子ともいわれる卍楼北鵞(まんじろうほくが)の新出の肉筆画です。力強く緻密な筆づかいは、北斎を彷彿とさせ、北鵞の作品の中でも優品に位置づけられます。
本作は、江戸時代のベストセラーとも評される、北斎が挿絵を担当した読本『椿説弓張月』の話をもとに、伊豆大島に流された平安末期の武将・源為朝が、弓矢で岩を打ち砕く場面が描かれています。画面中央から少し右に描かれている赤鬼のような風貌の人物は、七郎三郎(しっちょうさぼり、通称:鬼夜叉)です。七郎三郎は、海の潮風に焼けた赤肌で角のような2つの瘤があり、その風貌から為朝によって鬼夜叉と名づけられました。本作では鬼そのものの姿で描かれています。
 
4章 親しまれる鬼
鬼は恐れられるだけではなく、暮らしのなかで親しまれる存在でもありました。例えば金太郎や桃太郎などの昔話に登場する鬼は、多くの人々が子どもの頃から慣れ親しんだ存在です。鬼瓦は、瓦に恐ろしい表情の鬼の顔を装飾することで魔除けとし、建物を守ります。本章では暮らしの中での身近な鬼とともに、ユーモラスな鬼の姿を集め、北斎の軽妙な筆が捉えた愛すべき鬼たちを紹介します。

<鬼の寒念仏>

 葛飾北斎『北斎略画手ほどき』すみだ北斎美術館蔵(通期)

大津絵の「鬼の寒念仏」は、江戸時代、東海道の旅人たちが大津宿の土産物や魔除けとして買い求めた人気キャラクターでもありました。『北斎略画手ほどき』は、当時すでに稀少となっていた北斎の文字絵の教本を大正時代に再版したものです。本ページでは、絵描き歌に詠み込んだ文字を組み合わせて、大津絵の「鬼の寒念仏」の描き方が説明されています。単純な運筆で表された鬼の表情は不満げで、親しみやすさも感じさせます。


 葛飾北斎「着衣鬼図」佐野美術館蔵(前期)

僧衣の赤鬼が、刺身の皿と徳利、数珠を前に座っています。大津絵のイメージが底流にあると考えられますが、詳細な意味は不明です。右下の落款から、北斎が数え89歳のとき、門人の本間北曜(ほんまほくよう)に与えたものとわかります。 数少ない北斎の鬼を描いた肉筆画の貴重な1点であるとともに、最晩年の北斎の動静を知る上でも重要な作品です。


 葛飾北斎「念仏鬼図」すみだ北斎美術館蔵(後期)

僧衣をまとった赤鬼が、「藤娘」の大津絵を前に座っています。大津絵の定番の画題である「鬼の寒念仏」と「藤娘」を巧みに組み合わせた、北斎のユーモアが光る作品です。赤鬼は、煩悩を象徴する美しい藤娘の絵姿と、仏教の法具の鉦を前に、赤い顔をさらに赤らめつつ迷っているようにも見えます。 紙上の紹介および展覧会における一般公開は久々であり、数少ない北斎の鬼を描いた肉筆画としても注目すべき1点です。

<お面の鬼>

 葛飾北斎「鬼とお多福面」すみだ北斎美術館蔵(後期)

鬼は、節分の豆まきや神楽などの諸行事に頻繁に登場し、江戸時代の人々にとって身近な存在でした。本作には、新春を寿ぐ狂歌にあわせ、春を迎える節分に用いられる、鬼とお多福の面が描かれています。お多福の面を裏側にすることで、鬼の面のひょうきんな表情に視線がひきつけられます。
 

 作品リスト

「北斎  百鬼見参」作品リスト

 観覧料

 
個人
一般
1,200円
高校生・大学生
900円
65歳以上
900円
中学生
400円
障がい者
400円
小学生以下
無料










 


*団体でのご来館は、当面の間、受付を行いません。
・中学生、高校生、大学生(高専、専門学校、専修学校生含む)は生徒手帳または学生証をご提示ください。
・65歳以上の方は年齢を証明できるものをご提示ください。
・身体障がい者手帳、愛の手帳、療育手帳、精神障がい者保健福祉手帳、被爆者健康手帳などをお持ちの方及びその付添の方1名まで、障がい者料金でご覧いただけます。入館の際は、身体障がい者手帳などの提示をお願いします。
・観覧日当日に限り、AURORA(常設展示室)もご覧になれます。

 前売券 販売終了しました。

通常料金(当日券)の20%引きになる前売券を、1階エントランス受付で販売しています。

販売期間:2022年6月19日(日)まで販売中。
販売場所:すみだ北斎美術館 1階エントランス受付(開館日の9:30~17:00)

 公式図録

本展公式図録を、すみだ北斎美術館ミュージアムショップをはじめ、全国書店で発売します。当館初公開の肉筆画「道成寺図」のほか、「百物語」シリーズから「笑ひはんにや」「しうねん」「さらやしき」、『椿説弓張月』『北斎漫画』などの版本、摺物の作品など、出品作品の図版と解説を網羅した図録です。

タイトル 北斎 百鬼見参
著者 すみだ北斎美術館
出版社 講談社
価格 2,640円(税込
発売日 2022年6月20日(月)
形態/ページ数 単行本192ページ
ISBN ISBN978-4-06528083-6








 



 

 ご来館にあたってのお願い

すみだ北斎美術館では、新型コロナウイルス感染拡大防止への取り組みを引き続き行います。
ご来館の皆さまに、マスクの着用や手指の消毒等のご協力をお願いしています。
館内の人数が上限値を超えた場合は、入場制限を行う場合があります。
その他詳細は「ご来館のお客様へのお願い」をご一読ください。