北斎 大いなる山岳

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北斎 大いなる山岳

2023年6月20日(火) 〜 2023年8月27日(日)
北斎は、日本一の山・富士山をはじめ、江戸時代にできた人工の低山・天保山に至るまで、さまざまな山を描いています。北斎の描いた山を通して、山の信仰、生業、伝説や怪談を紹介し、日本人と山の関わりを見て行くとともに、北斎による多彩な山の表現とその魅力に迫ります。
会期
2023年6月20日(火)~8月27日(日)
※会期中、一部展示替えを予定
 前期:6月20日(火)~7月23日(日)
 後期:7月25日(火)~8月27日(日)
開館時間
9:30~17:30(入館は17:00まで)
休館日
毎週月曜日
※7月17日(月・祝)は開館、7月18日(火)は休館
会場
3階企画展示室
主催
墨田区・すみだ北斎美術館

 展覧会概要

富士山は、日本最高峰にして古くから信仰の対象となり、また浮世絵など芸術作品の題材として多く採用され、日本のみならず西洋の芸術にも影響を与えてきました。そうした文化面で高い評価を受け、2013年に世界文化遺産に登録されてから、今年は10周年にあたります。
浮世絵師・葛飾北斎は、この世界に誇る富士山をはじめとして、現在でも百名山として人気の山から北斎と同時代に大坂に作られた人工の山・天保山に至るまで、日本列島各地のさまざまな山を描いています。こうした北斎の制作背景には、近代登山が始まるはるか以前から信仰や生業のために山に登ってきた日本人と山との深いつながりがあります。北斎の描いた山を通して、山の信仰、生業、伝説や怪談を紹介し、日本人と山との関わりを見て行くとともに、北斎による多彩な山の表現とその魅力に迫ります。

 本展の見どころ

 
  北斎と一緒に、日本列島の山を巡ろう!
富士山をはじめ、北斎や門人が描いた山は日本列島各地に広がっています。本展出品作品に描かれた主な山は、前期・後期をあわせて30に及びます。キャプションには作品解説のほか、山の説明や「登山好き学芸員の現地レポート」がある作品も。北斎作品と一緒に、日本各地の山々をめぐる旅をお楽しみください。

葛飾北斎「冨嶽三十六景 諸人登山」
すみだ北斎美術館蔵(前期)
 
  北斎が描き出す、果てなき山の魅力
北斎が山を描いた作品は、自然の風景にとどまらず、人々が山に登る様子に目を向けたものや、山のくらしや生業を描写したもの、山にまつわる伝説に着想を得たものなど様々です。これらの作品を通して、日本人と山との関わりを感じるとともに、北斎によって描き出される計り知れない山の魅力に迫ります。

 

 展示構成と主な出品作品

プロローグ(登山口)
日本人と山

近代登山が始まる遥か以前から日本人は山に登ってきました。縄文時代にも好奇心による登山の事例が確認されていますが、娯楽やスポーツとしての登山は、主に近代に入ってからで、それより前は、富士講や大山講、立山講など、山をご神体として崇拝する山岳信仰のための宗教登山がほとんどでした。プロローグでは、北斎作品の背景にある日本人と山との精神的なつながりをたどっていきます。
富士講

葛飾北斎『富嶽百景』初編
不二の山明キ 辷リ
すみだ北斎美術館蔵(通期)

信仰と旅

《当館初公開》葛飾北斎「木曽路名所一覧」
すみだ北斎美術館蔵(前期)

 


 
1合目
富士山から低山まで
北斎さまざまな山を描く

日本の最高峰・富士山をはじめ、2014年までは日本一低い山として知られた天保山に至るまで、北斎一門はさまざまな山を描いています。それは、これまで浮世絵のジャンルの片隅にあった名所絵(風景画)を一躍主要なジャンルに押し上げた北斎ならではといえます。 本章では、「冨嶽三十六景」シリーズをはじめ、日本各地の山を描いた作品をエリアごとに紹介し、北斎一門が工夫をこらした多彩な山岳表現をご覧いただきます。
富士山

葛飾北斎「冨嶽三十六景 凱風快晴」
すみだ北斎美術館蔵(作品を替えて通期展示)

行道山

葛飾北斎「諸国名橋奇覧 足利行道山くものかけはし」
すみだ北斎美術館蔵(後期)

筑波山

葛飾北斎『北斎漫画』七編
常陸筑波の積雪
すみだ北斎美術館蔵(通期)

天保山

葛飾北斎「諸国名橋奇覧 摂州阿治川口天保山」
すみだ北斎美術館蔵(作品を替えて通期展示)

吉野山、高見山、音羽山

《初公開》二代葛飾北斎「倣文晁山水図屏風」
すみだ北斎美術館蔵(前期)

稲佐山

魚屋北溪「諸国名所 肥前稲佐山」
すみだ北斎美術館蔵(後期)

 
  本展でご紹介する主な山リスト
日本人と山 富士山(富士講)、立山(立山講)、大山(大山講)
江戸の低山 御殿山、愛宕山、上野山、待乳山、道灌山、飛鳥山
関東の山 行道山、男体山、榛名山、妙義山、筑波山、鋸山、吾妻山、箱根山
中部の山 八ヶ岳、身延山、七面山、愛鷹山、秋葉山、足羽山
近畿の山 嵐山、吉野山、高見山、音羽山、天保山
四国・九州の山 象頭山、稲佐山

 

 
2合目
山のくらし

北斎は山の姿だけではなく、木こり、猟師、金山の採掘など山中で働き暮らす人々や、山麓での営みも活写しています。高い木の上での伐採や断崖絶壁での岩茸採りなど、山ならではの危険と隣り合わせの仕事は、北斎の創造力、創作意欲を刺激したことでしょう。本章では、北斎とその一門による山のくらしを描いた作品の数々を展観し、風景だけではなく人々にも注がれた北斎のまなざしをたどります。
岩茸取(いわたけとり)

葛飾北斎『北斎漫画』十三編 岩茸取
すみだ北斎美術館蔵(通期)

 

 
3合目
山と伝説
山怪


山は神聖な場であり、異界あるいは異界への入口であるため、不思議な存在がいると信じられてきました。それゆえに、山男や山姥、天狗、鬼をはじめとした山の怪奇な存在、さまざまな山にまつわる伝説や怪談が伝えられています。本章では、北斎と一門の作品を通して、山の怪や山に伝わる伝説、またそれらをモチーフとした物語を紹介します。
天狗・狒々(ひひ)・山姥

葛飾北斎『北斎漫画』三編
天狗 狒々 幽霊 山姥
すみだ北斎美術館蔵(通期)

 作品リスト

「北斎 大いなる山岳」作品リスト

 観覧料

 
個人
一般
1,000円
高校生・大学生
700円
65歳以上
700円
中学生
300円
障がい者
300円
小学生以下
無料

*団体でのご来館は、当面の間、受付を行いません。
・中学生、高校生、大学生(高専、専門学校、専修学校生含む)は生徒手帳または学生証をご提示ください。
・65歳以上の方は年齢を証明できるものをご提示ください。
・身体障害者手帳、愛の手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、被爆者健康手帳などをお持ちの方及びその付添の方1名まで、障がい者料金でご覧いただけます。入館の際は、身体障害者手帳などの提示をお願いします。
・観覧日当日に限り、AURORA(常設展示室)、常設展プラスもご覧になれます。

 前売券

本展前売券(通常料金の20%引き)を以下の期間で販売いたします。
販売期間:2023年3月14日(火)から6月19日(月)まで

 オリジナルリーフレット

展覧会の構成に沿って、オールカラーで見どころをたどることができるリーフレットです。作品解説のほか「登山好き学芸員の現地レポート」も一部載録!
タイトル 「北斎 大いなる山岳」リーフレット
価格 350円(税込)
形態/ページ数 A4縦長8ページ
発売日 2023年6月20日(火)
販売場所 すみだ北斎美術館1階
ミュージアムショップ
 

 お客様へのお願い

ご来館の皆さまに、咳エチケットや手指の消毒等のご協力をお願いしています。
館内の人数が上限値を超えた場合は、入場制限を行う場合があります。
その他詳細は「ご来館のお客様へのお願い」をご一読ください。


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