「無視覚流」まちあるきで知る、北斎と隅田川

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2018年11月4日(日) 〜 2018年11月4日(日)
江戸のころには「大川」と呼ばれた今日の「隅田川」。すみだの地で生涯のほとんどを過ごした葛飾北斎も、水辺の景色に目を向け、川にかかる橋や往来する船、涼を求めて集う人々を描きました。そして晩年には、隅田川に臨む牛嶋神社の近くに暮らして、絵馬「須佐之男命厄神退治之図」を奉納しています。
今回は、そんな北斎の足跡に思いを馳せながら、「無視覚流」※の先達、広瀬浩二郎さんと隅田川の界隈を歩き、船に乗って川面から、いまの隅田川の姿を捉えていきます。視覚に頼らず、聴覚や嗅覚、触覚を働かせて、水音や鳥の声に耳を澄ませ、潮の匂いに海を感じ、波にたゆたう船の上で自らの感覚をひらいていくワークショップです。
あわせて、北斎作品に表された隅田川両岸の風景や「橋の博物館」とも称される隅田川の多彩な橋のかたちについて、さわれる資料を用いながら、そのおもしろさを発見し参加者相互に伝え合う機会としていきます。
東京2020オリンピック・パラリンピックを経た共生社会の実現に向けて、「視覚を使わない」ことで感じる世界を広げ、他者との差異を超えたコミュニケーションをはかる試みです。どうぞご参加ください。

※「無視覚流」とは
講師の広瀬浩二郎氏が提案する、視覚を使わずに作品を鑑賞する方法。参加者は、アイマスクを着けて聴覚や触覚を頼りに、ペアを組んだ人に手引きしてもらいながら街を歩きます。
開催日
2018年11月4日(日)
開催時間
13:00~17:00
集合場所
牛嶋神社 
東京都墨田区向島1-4-5

都営地下鉄浅草線「本所吾妻橋駅」より徒歩7分
東武スカイツリーライン「とうきょうスカイツリー駅」より徒歩7分
東京メトロ「浅草駅」より徒歩10分
[上26/有01/業10/草39]言問橋バス停から徒歩2分
[上26/東42甲]隅田公園バス停から徒歩5分
[上23]墨田区役所バス停から徒歩5分
定員
50名
※墨田区在住・在勤・在学優先
申込方法
墨田区文化振興財団 地域文化支援課まで
Eメール:artsupport@sumida-af.or.jp
申込受付開始日:10/2(火) 
※定員になり次第受付終了
メールタイトルに「無視覚流まちあるき」とご入力いただき、メール本文に下記の情報を記してお送りください。

●代表者氏名(ふりがな)・年齢・性別
●電話番号
●参加者氏名(ふりがな)・年齢・性別
●視覚障害の有無
●住所
※在勤、在学の方は、勤務先または学校名と所在地をご記入ください。
料金
無料
主催
墨田区
企画運営
公益財団法人墨田区文化振興財団
協力
「隅田川 森羅万象 墨に夢」実行委員会、すみだ北斎美術館
お問い合わせ
03-5608-5446
受付時間 月~金曜日、9:30~16:30


【当日スケジュール】
13:00             牛嶋神社 集合
13:00~14:30   講義と「無視覚流」まちあるき体験 ◎講師:広瀬浩二郎
視覚に障害のある人は、どのように情報を得て行動しているのでしょうか。「無視覚流」まちあるきの極意を広瀬さんに教えてもらい、アイマスクをしてまちを歩いてみると、普段は見過ごしていたさまざまなことに気づきます。牛嶋神社から隅田公園へ、音や匂い、手触りや足裏の感覚を頼りに、二人一組で「視覚を使わない」お散歩体験です。

14:30~16:10   屋形船で隅田川遊覧  ◎講師:五味和之
吾妻橋船着場から屋形船に乗って、隅田川を下ります。水面を渡る風に吹かれ、橋の下をくぐるときの音の響きに空間を把握しながら、船は海へと進みます。北斎作品に描かれた川や橋について、すみだ北斎美術館の学芸員がお話しするとともに、江戸の頃から受け継がれてきた「味」も紹介。あらためて隅田川に親しむ機会とします。
※船が出航できない荒天の場合は、すみだリバーサイドホールで行います。

16:20~17:00  振り返りトーク 会場:すみだリバーサイドホール
「無視覚流」まちあるきと隅田川遊覧から得た気づきや体験など、参加者みんなで振り返り、意見を交わします。

企画監修:広瀬浩二郎(国立民族学博物館准教授)
自称「座頭市流フィールドワーカー」、または「琵琶を持たない琵琶法師」。1967年、東京都生まれ。13歳の時に失明。筑波大学附属盲学校から京都大学に進学。2000年、同大学院にて文学博士号取得。専門は日本宗教史、触文化論。01年より国立民族学博物館に勤務。現在はグローバル現象研究部・准教授。「ユニバーサル・ミュージアム」(誰もが楽しめる博物館)の実践的研究に取り組み、“さわる”をテーマとする各種イベントを全国で企画・実施している。最新刊の『目に見えない世界を歩く』(平凡社新書)など著書多数。