北斎のまく笑いの種

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北斎のまく笑いの種

2023年9月20日(水) 〜 2023年11月26日(日)
北斎や門人たちは多くの作品に「笑い」の描写を取り入れており、その表情は見事に描き分けられています。笑顔の描写やユーモアのある表現など、北斎と門人たちが描いた多様な「笑い」を紹介します。
会期
2023年9月20日(水)~11月26日(日)
※会期中、一部展示替えを実施
 前期:9月20日(水)~10月22日(日)
 後期:10月24日(火)~11月26日(日)
開館時間
9:30~17:30(入館は17:00まで)
休館日
毎週月曜日
※10月9日(月・祝)は開館、10月10日(火)は休館
会場
3階企画展示室
主催
墨田区・すみだ北斎美術館

 展覧会概要

江戸時代、狂歌や滑稽本、落語など、庶民でも楽しめる文化が花開き、人々に「笑い」をもたらす〈笑いの種〉が増えました。北斎や門人たちは、笑顔や照れ笑い、怪しげな笑いにいたるまで、世間にあふれる多様な笑いの表情や仕草、また笑いが生まれる状況を捉えて見事に描き分け、巧みに表現しています。さらに、様々な笑いを表現してきた北斎は、笑いを誘う戯画シリーズの作品も描いています。
本展では、北斎と門人たちが描いた笑いにまつわる作品の数々を紹介します。北斎と門人たちがまく笑いの種から、たくさんの笑顔の花を咲かせ、実りある時間を過ごしていただけましたら幸いです。

 本展の見どころ

 
  笑顔が広がる展示室
世間には、笑顔や照れ笑い、怪しげな笑いにいたるまで多様な笑いの表情や仕草があり、江戸時代の浮世絵作品にも様々な笑いが登場します。本展では、北斎や門人の作品に表現された多種多様な笑顔や、笑いが生まれる状況を捉えた作品などを約115点展示します。

葛飾北斎『北斎漫画』十二編
笑門に福来る
すみだ北斎美術館蔵(通期)
 
  北斎の戯画シリーズを一堂に展示!
生涯を通じてあらゆるものを描いた北斎は、滑稽な戯画のシリーズも複数描いています。北斎は川柳風の狂句(滑稽な内容の5・7・5の句)も嗜んでいたことから、戯画シリーズにはそうした社会情勢や人々の生活を捉えて表す経験が活かされているのかもしれません。
本展では、北斎による戯画シリーズ「鳥羽絵集会」、「風流おどけ百句」、「狂句入戯画集」、「謎かけ戯画集」などから約40図を展示します。このうち32図は当館初公開!北斎が可笑しみを盛り込んで描き出す戯画の世界をご堪能ください。

 

 展示構成と主な出品作品

1章 
笑顔いろいろ

「笑い」と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。本章では、一般的に笑いという言葉からイメージしやすい「笑顔」や「芸人」などに焦点を当て、七福神や遊ぶ子どもなど笑顔の象徴ともいえる対象が描かれた作品や、芸人や狂歌師など笑いをあたえる人が描かれている作品をご紹介します。
笑顔の象徴: 七福神 

葛飾北斎『北斎漫画 草筆之部』
すみだ北斎美術館蔵(通期)*
* 半期で同タイトルの作品に展示替えをします。

笑いを生み出す人々: 万歳(まんざい)

葛飾北斎「万歳図」
すみだ北斎美術館蔵(前期)

笑いを生み出す人々: 狂歌師 

葛飾北斎『五拾人一首 五十鈴川狂歌車』
右:式亭三馬、左:十編舎一九
すみだ北斎美術館蔵(通期)*

 

 
2章 
多種多様な笑い

笑うときには、ただ目を細めて口角を上げるだけでなく、口元を隠したり、指差したりすることもあります。また、ひとえに「笑い」といっても、嘲笑や照れ笑いなど様々な種類の笑いが存在します。本章では北斎や門人による笑っていることを示す表現や、笑いの種類をご紹介します。
指差す先に笑いの種 

葛飾北斎『男踏歌』
すみだ北斎美術館蔵(後期)

怪しい笑い 

葛飾北斎「百物語 こはだ小平二」
すみだ北斎美術館蔵(前期)

 

 
3章 
北斎と門人が描く戯画の世界

多様な「笑い」の表情や仕草を捉えて表現してきた北斎や門人たちは、滑稽的、風刺的な戯画も描いています。とりわけ、北斎は戯画のシリーズまで描いており、北斎自らが人々に笑いを与える役目も担っています。本章では、北斎や門人たちが生み出した戯画の数々をお楽しみください。
餅は餅屋 

葛飾北斎『北斎漫画』十二編
餅ハ餅屋
すみだ北斎美術館蔵(通期)

戯画シリーズ:「狂句入戯画集」

葛飾北斎「狂句入戯画集
坂東善次投られて渋ひ面」
すみだ北斎美術館蔵(後期)

戯画シリーズ:「風流おどけ百句」

葛飾北斎「風流おどけ百句
炎天にすべるを見れば瓜の皮」
すみだ北斎美術館蔵(通期)*

戯画シリーズ:「謎かけ戯画集」

葛飾北斎「謎かけ戯画集
眼鏡屋とかけてなぞ坊主ととく心ハみな人がかけて見たがる」
すみだ北斎美術館蔵(後期)
 
3章2節で紹介する北斎の戯画シリーズでは、江戸時代の日常に溢れる笑いがよく捉えられ、滑稽さに富んだ描写がなされています。それらの中には、現在の私たちの生活や感覚とはかけ離れた表現を含む作品もございます。たとえば、現代では不適切とされるような痴話や差別的な話題も当時は笑い話の対象とされる場合が多々あり、それらが絵画化された作品もございます。
しかし、江戸時代の風俗と北斎の画業は密接に結びつくものであり、北斎の秀作の数々が生み出された時代背景は、北斎作品を理解する上で切り離せません。
本展では、北斎の戯画シリーズをご紹介するにあたり、現在では使用が認められない不適切な表現や不快感を与える可能性のある表現を含む場合がございますが、北斎の作画意図をよりよくご理解いただくため、原資料のまま展示しております。これらの表現を肯定・容認するものではありません。
 

 作品リスト

「北斎のまく笑いの種」作品リスト

 観覧料

 
個人
一般
1,000円
高校生・大学生
700円
65歳以上
700円
中学生
300円
障がい者
300円
小学生以下
無料

*団体でのご来館は、当面の間、受付を行いません。
・中学生、高校生、大学生(高専、専門学校、専修学校生含む)は生徒手帳または学生証をご提示ください。
・65歳以上の方は年齢を証明できるものをご提示ください。
・身体障害者手帳、愛の手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、被爆者健康手帳などをお持ちの方及びその付添の方1名まで、障がい者料金でご覧いただけます。入館の際は、身体障害者手帳などの提示をお願いします。
・観覧日当日に限り、AURORA(常設展示室)、常設展プラスもご覧になれます。

 前売券

本展前売券(通常料金の20%引き)を以下の期間で販売いたします。
販売期間:2023年6月20日(火)から9月19日(火)まで

 オリジナルリーフレット

展覧会の構成に沿って、オールカラーで見どころをたどることができるリーフレットです。江戸時代のお笑いや、北斎が狂句を嗜んだことなどについて解説するコラム「話の種」も一部収載!
     
タイトル 「北斎のまく笑いの種」リーフレット
価格 350円(税込)
形態/ページ数 A4縦長8ページ
発売日 2023年9月20日(水)
販売場所 すみだ北斎美術館1階
ミュージアムショップ
 

 お客様へのお願い

ご来館の皆さまに、咳エチケットや手指の消毒等のご協力をお願いしています。
館内の人数が上限値を超えた場合は、入場制限を行う場合があります。
その他詳細は「ご来館のお客様へのお願い」をご一読ください。


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